本レビューは、VAPORWAVEより提供されたゲームを基に執筆しています。
1990年代の3Dゲーム時代を彷彿とさせるNINTENDO64風のゲーム『Super Vapor 64』が、VAPORWAVE.comでリリースされました。今回、ゲームコードを提供いただいたので、実際にプレイしてみました。本作は、懐かしいゲーム体験を提供しつつ、現代的な要素も巧みに取り入れたユニークなゲームプレイが特徴です。
現代のゲームの複雑さを楽しむ一方で、昔のゲームのシンプルさが懐かしくなることもあります。特に、遊んだ記憶すら曖昧なゲームのことを思い出す時です。
想像してみてください。90年代、地元のビデオレンタル店で見たこともないゲームを見つけたときのことです。パッケージアートがかっこよくて、数日以内に返却しなければならないことを分かっていながらも、家に持ち帰ることにします。
限られた時間の中で、おそらく説明書を読むことなく(仮に説明書があったとしても)、すぐにゲームを始めてしまうでしょう。結局、自分で操作方法を覚えるくらいの賢さはあるのだから。もしかしたら、いくつか重要なポイントを見逃すかもしれませんが、そんなことは気にしません。どうせこのゲームをクリアすることはないかもしれませんが、それでもゲーム内で自分だけの特別な冒険を楽しんでいるのです。
これこそが、私たちが『Super Vapor 64』を作る際に目指した感覚です。
EARLY 3D ERA GAMEPLAY NOSTALGIA
リリース日 | 9月17日 |
値段 | ¥500 |
ジャンル | 3D アーケード アクション |
対応言語 | – |
開発 | KYOTO-CHAN |
販売 | VAPORWAVE |
独特のコントロールと懐かしい操作性
本作は、スノーボードに乗ったキャラクターを操作してゴールを目指すというシンプルな内容。コース上には障害物である「雪玉」や、通過するとスコアが加算される「フープ」、取得するとキャラクターの頭上に積み重なっていく「ドリンク」が配置されています。プレイヤーはスコアを稼ぎつつ、全64ステージのゴールを目指します。
操作性も特徴的で、90年代に登場した初期の3Dゲームのように、やや“直感的ではない”独特な操作感が意図的に取り入れられています。慣れるまでに少し時間がかかるかもしれませんが、それが逆に昔のゲームのようなチャレンジ性を感じさせてくれます。
また、チュートリアルやロード時間、ムービーシーンが一切なく、ゲームを起動してワンボタンで即プレイが始まるというシンプルな設計です。最近のゲームに見られる「ユーザーに配慮しすぎて逆に煩雑な画面」とは対照的で、ある意味では非常にユーザーフレンドリーなデザインと言えるかもしれません。
しかし、ゲームの核心であるスコアアタック要素に関しては、やや物足りなさを感じます。全64ステージを通じてスコアを競いながらプレイするシステム自体は楽しいものの、スコアボードやオンラインランキングといった機能が欠けているため、自己記録の達成感や他プレイヤーとの競争の楽しさを感じにくいのが残念です。こうした機能が追加されれば、より長時間プレイするモチベーションが生まれると思います。
変化し続けるレベルデザイン…だけど…
また、プレイするたびに異なるレベルが生成されるシステムを採用しており、全く同じコースが出現することはありません。簡単なコースが出現することもあれば、突然難易度の高いコースが現れることもあります。しかし、コースのギミックにバリエーションが少なく、毎回同じようなコースを走っているように感じるのも事実です。
例えば、ジャンプ台を使わないと飛び越えられない穴や、踏むと加速する床など、昔ながらのレースゲームにありそうなギミックが追加されれば、延々と走り続けるコースもさらに刺激的になるのではないかと思います。今後のアップデートに期待が高まります。
『Super Vapor 64』を実際にプレイして感じたのは、“子供の頃、友達の家で遊んだ謎のゲーム”をプレイした時のような感覚です。ゲームのタイトルや目的、操作方法は不明瞭ながらも、何か魅力を感じ、気がつけば帰宅時間寸前まで夢中で遊んでしまっていた、そんな懐かしい体験が蘇りました。
現在、『Super Vapor 64』はVAPORWAVE.comで購入可能です。ノスタルジックな体験を味わいたい方には、ぜひオススメしたい作品です。