最近、YouTuberのKirsche氏が発見した動画「Game Developers of Color Expo」にて、Sweet Baby Inc.の従業員であるCamerin Wild氏が、自らの目標を「ゲーム業界を焼き尽くすこと(Burning the games industry to the ground.)」と明かし、大きな波紋を呼んでいます。That Park Placeが報じています。
Wild氏は、『スーサイド・スクワッド キル・ザ・ジャスティス・リーグ』や『Alan Wake 2』など、複数の注目作でナラティブデザイナーとして活躍してきた経歴を持ちますが、今回の発言は、ゲーム業界の未来について新たな議論を巻き起こしています。
「もっと幅広い物語とわかりやすい表現を提供すべき」
Wild氏は、2023年8月に行われたイベントで「How to Get Away With Murder Subverting Genre Expectations(ジャンルの期待を覆す方法)」という題のプレゼンテーションを行い、次のような言葉で自身の目標を説明しました。「ゲーム業界を焼き尽くすこと」。この発言は、彼が「より包括的な物語と表現を提供すべきだ」とする意見に基づいており、彼にとって「白人性が必ずしも存在しない空間こそが、最高の物語が語られる場所」だと述べています。
多くの私たちは、より包括的なゲームや物語を求めて戦っていますが、不快感に対する選択肢がありません。私たちの多くは、ただ存在しているだけでその選択肢がないのです。それが非常に難しいことの一因です。しかし最近、私は不快感や、白人中心の視点が必要とされない場所こそが、最高の物語が生まれる場所であり、ジャンルストーリーテリングが息づく場所だということに気づき始めました。
Camerin Wild
さらにWild氏は、自身のお気に入りの映画『ブレージング・サドル』に対する深い愛着を語り、そのユーモアが「社会的不平等を認識し、その闇の中で笑いを見出す」という点で特別だと強調しています。また、彼は映画『ジャンゴ 繋がれざる者』を「不適切」と批判し、特定のストーリーが語られるべきではない場合があることを示唆しました。
Redditのr/KotakuInActionでは、Camerin Wild氏の発言に対して多くの意見が飛び交っています。特に彼の「ゲーム業界を焼き尽くす」という目標に対して、「自己認識の欠如」や「精神的な問題」を指摘する声が多数見られました。特に、「異なる物語が自分たちのものでないことに不快感を示す」人々について、自身のダブルスタンダードに気付いていないと指摘されています。また、こうした意見は「文化的盗用」とも関連しており、特定の文化に無理やり多様性を押し付けることへの反発が強いです。
さらに、多くのユーザーは、DEI(多様性・公平性・包括性)コンサルティング会社が業界を悪化させていると感じており、Sweet Baby Inc.のようなコンサルタント企業はゲーム開発に悪影響を与えているとの認識を持っています。また、彼らがゲーム業界に悪影響を及ぼすことを許す企業にも疑問を投げかけており、「なぜこうしたコンサルティング会社を雇うのか理解できない」といった意見も見受けられました。
あるユーザーは「アメリカの文化が精神的な病を生み出し、それが感染している」と述べ、特定のイデオロギーが他国にも影響を及ぼしていることに懸念を表明しています。
コミュニティ上ではSweet Baby Inc.の発言とその背後にある思想に対して強い反発があり、ゲーム業界における多様性の押し付けや文化的適応の強要に対して批判的な意見が多数を占めています。
Wild氏の発言は、ゲーム業界全体に波紋を広げ、特に従来のジャンル表現やストーリーテリングに対する新しい視点を提起しています。彼の言葉は、単なる挑発ではなく、より包括的で多様な物語を創り上げるための一環であると解釈されており、今後のゲーム開発においてその影響が注目されることでしょう。
Wild氏が提示する「白人性が必ずしも支配しない空間での物語作り」は、業界内で支持を得る一方で、賛否両論を巻き起こしています。今後、彼の発言がどのようにゲーム産業全体に影響を与えるか、注視していく必要があります。