ベセスダ・ゲームスタジオのゲームディレクターであるトッド・ハワード氏は、YouTubeのBAFTA公式チャンネルにて、『Starfield』の開発過程における大きな課題について言及しました。特に、1000以上の惑星を生成するというコンセプトに対して、「最初はあまり良いアイデアではなかったかもしれない」と振り返り、Bethesdaとして進むべき道を誤ったことを認めています。
プロシージャル生成の限界とプレイヤーの不満
『Starfield』は、同スタジオの『Elder Scrolls』シリーズや『Fallout』シリーズに続く大規模なオープンワールドゲームです。ハワード氏は、プレイヤーに対して可能な限り自由を提供することを念頭に開発を進めてきたと述べています。しかし、最大の問題は「どのように1000もの惑星を生成するか」という技術的な側面であり、その過程で「果たしてこれが良いアイデアなのか」と疑問を抱いていたことも明らかにしました。
『Starfield』における大きな課題の一つは、どうやって惑星を生成するのか、そしてそれが本当に良いアイデアなのかということでした。正直に言うと、最初はあまり良いアイデアではないと思いましたが、それでも挑戦し、惑星を生成し、太陽系のシミュレーションを作り上げました。
しかし、最終的にはその体験をどのように楽しくするかが重要でした。技術的な課題をクリアし、システムを動かすことができた後は、どのようにしてプレイヤーに楽しさを感じさせるかがデザイン上の大きなチャレンジでした。
How Todd Howard and the Bethesda team create the massive worlds in Starfield and Skyrim | BAFTA
実際に、『Starfield』の発売後、多くのプレイヤーから「惑星に何もない」といった不満が上がりました。ハワード氏も認めるように、1000の惑星のうち、生命体が存在するのはわずか100ほどで、残りの90%はほとんど何もない状態です。この現象は、技術的には実現できたものの、プレイヤー体験としては成功とは言い難かったと述べています。
ハワード氏は、映画監督のような立場で、アート、テクノロジー、ストーリーテリングなど多くの要素を一つにまとめる役割を担っています。Bethesdaのゲームが非常に大規模である背景には、チーム全体のクリエイティブな力が関与していることが挙げられます。「Bethesdaではほとんどゲームから削除される部分がなく、だからこそゲームが非常に大きくなる」と述べ、同社の作品が大規模である理由を説明しました。
また、自身のキャリアが30年にわたることにも触れ、Bethesdaの作品には『ロード・オブ・ザ・リング』や『インターステラー』といったSFやファンタジー作品からの影響が大きいと語りました。各世代に応じた技術の進化とともに、新たな形で古い世界を再訪する機会が提供されている点も強調しています。
Bethesdaが手掛ける次世代のゲームが、どのようにしてプレイヤーを魅了し続けるのか、今後の展開にも期待が高まります。