Bethesdaの元デザイナーで現在は『The Axis Unseen』を手掛けるネイト・パーキーパイル氏は、オープンワールドRPG『Starfield』の開発中にスタジオを離れた理由について、Redditで詳細に語りました。彼はこれまで『Fallout 3』や『The Elder Scrolls V: Skyrim』といった作品で、ワールドデザインや照明の制作を手掛けてきた実力者であり、その功績は高く評価されています。
ネイト・パーキーパイル氏の決断:インディーゲーム制作への転身
しかし、彼が感じた「違和感」とは、Bethesdaのチームが急速に大きくなり、プロジェクトが大規模化したことでした。『Fallout 3』や『Skyrim』の時期、チームは約65~110人の小規模で、彼にとっては非常に充実した時代だったと言います。それに対し、『Starfield』の開発チームは500人以上にも拡大し、さらに4つのスタジオが関わるプロジェクトへと変化しました。その規模の大きさが、彼には合わなかったと振り返ります。
「大きなチームでの開発は、自分のスタイルに合わなくなってきた」と彼は語り、増え続ける会議や決定プロセスがスピード感を損ない、独自のクリエイティブな発想を活かしづらくなっていたとのこと。彼は、Bethesda時代に手掛けた『Fallout 76』やDLC『Point Lookout』などのプロジェクトでも重要な役割を果たしましたが、最終的には「自分が本当に作りたいもの」を追求するため、2021年にスタジオを離れる決断をしました。
その後、パーキーパイル氏は自身のインディーゲームスタジオを設立し、現在は新作ゲーム『The Axis Unseen』の開発に取り組んでいます。本作は、モンスター狩りと探索をテーマにしたオープンワールド型のサバイバルホラーゲームとなっています。10月22日にPC向けにリリース予定で、セーブデータを製品版に引き継ぐことが可能なデモ版が公開中です。
また、音楽にはメタルバンド「Isis」のクリフォード・メイヤー氏を迎え、プリミティブな楽器とメタルを融合させた独自のサウンドを取り入れているとのこと。パーキーパイル氏は、独立してからのクリエイティブな自由を存分に楽しんでおり、Bethesdaでの経験を活かしつつ、完全に自分のビジョンでゲームを作る喜びを見出しています。
Bethesdaの大規模プロジェクトから離れ、インディーゲーム業界へと足を踏み入れた彼のようなクリエイターは増加傾向にあります。今後も『Starfield』や他のAAAゲーム開発の裏側には、こうした開発者の視点が注目されるでしょう。『The Axis Unseen』のリリースが迫る中、Bethesdaファンやインディーゲーム愛好者の間で、彼の新たなチャレンジが期待されています。
ネイト・パーキーパイル氏が手掛ける『The Axis Unseen』はPC向けに10月22日にリリース予定です。