『Half-Life 2: Episode Three』の全貌が明らかに！開発中止の裏側と未発表プロトタイプ映像が公開「エピソード3がシリーズの進化として意義を持つものにできなかった」

By Mag - 2024.11.18 Mon

ゲームニュース

Valveの名作『Half-Life 2』の20周年を記念して公開されたドキュメンタリー映像が、ゲーマーの間で話題となっています。この映像では、長らく待ち望まれていた『Half-Life 2: Episode Three』に関する新情報が明らかになり、プロトタイプ映像も公開されました。

Half-Life 2: 20th Anniversary Documentary

なぜエピソード3は発売されなかったのか？

ドキュメンタリーの中で、Valveの創設者であるゲイブ・ニューウェル氏は、『Half-Life 2: Episode Three』を実現できなかった理由について「個人的な失敗」と語っています。

同氏は、「エピソード3がシリーズの進化として意義を持つものにできなかった」と述べ、さらに開発途中で『Left 4 Dead』プロジェクトへのリソース割り当てが指示され、開発が中断されたことを明かしました。開発チームが再びプロジェクトに戻った時点では、「機会を逃していた」との判断から、エピソード3は正式に中止となったとのことです。

『Half-Life 2: Episode Three』の全貌が明らかに！開発中止の裏側と未発表プロトタイプ映像が公開「エピソード3がシリーズの進化として意義を持つものにできなかった」

怠けて『ストーリーを進めるだけでいい』と言ってしまうのは、ゲーマーに対する義務を放棄することだよね。それは逃げだ。もちろん、彼らはストーリーが好きだし、多くの点を愛している。

でも、『次に何が起こるのか知りたいから』という理由で作るのは違うと思うんだ。正直、リリースすること自体はそんなに難しくなかったんだ。でも失敗した。それは僕自身の個人的な失敗で、行き詰まってしまったんだ。エピソード3を作ることが何かを前進させる理由を見いだせなかった。

エピソードがなければ、DOTAも存在しなかっただろう。それはちょっと奇妙に聞こえるかもしれないけれど、エピソードの開発から得られた学びが、Team Fortress 2のより迅速なアップデートにつながったんだ。『Half-Life: Alyx』のエンディングは、ある意味で自己批判的な気づきのようなものだった。それがとても満足できるもので、特にその決断やデザインに関わった人々の功績だと思う。

僕は『Half-Life』が、僕たちが持つツールであり、革新や新たなゲーム体験を作る機会を活用するために顧客に対して約束されたものを象徴していると思う。そして、そのような機会が業界にはまだまだたくさんあると思うんだ。
Gabe Newell why Half-Life 2 Episode 3 was never released

今回の映像では、エピソード3で予定されていた新要素が明かされました。例えば、氷を生成することで敵を凍らせたり、壁を越えるための橋を作ったりする「アイスガン」という武器や、新しい敵である液体状の生命体が登場する予定でした。しかし、これらの要素が最終的にゲームに実装されることはありませんでした。

Check out never before seen footage of Half-Life 2 Episode 3!

Looks like you would be able to make ice bridges to scale walls and more! pic.twitter.com/RuaI7476jG
— Half-Life Alyx NoVR (@HL_Alyx_NoVR) November 15, 2024

ファンの期待を高める関連プロジェクトにも注目が集まっており、『Half-Life 2: Episode Three』の精神を引き継ぐファンプロジェクト『Project Borealis』のデモ版が公開中。Valve公式ではないものの、シリーズの継続を望むプレイヤーにとって貴重な体験となっています。

エピソード3の開発中止についての真相が明かされたことで、多くのファンは感慨深い気持ちを抱いたことでしょう。今回の情報は、シリーズが抱える未解決のストーリーへの期待をさらに高める結果となりました。一部では、Valveが新たな『Half-Life』プロジェクトに取り組んでいるのではないかという噂も囁かれています。未来のアップデートを楽しみに待ちましょう。