『ゴッド・オブ・ウォー ラグナロク(God of War: Ragnarok)』がPC版でついにリリースされ、最新のパッチによりVRAM 6GB未満のビデオカードでもプレイ可能となりました。しかし、このアップデートにはパフォーマンスの不安定さを伴うリスクがあり、注意が必要です。
また、Steam版ではPSNアカウントのリンクが強制される点について、プレイヤーから多くの批判が寄せられています。この対応により、レビューにネガティブな評価が相次いでいる状況です。
VRAM制限が緩和、低スペックPCでも一応プレイ可能に
本作のリリース当初は、ビデオメモリ(VRAM)が6GB未満のグラフィックカードではゲームが起動できないという制限がありました。これは、PC版が非常に高いグラフィック処理能力を必要とするため、古いグラフィックカードや低スペックのものではゲームが正常に動作しないのを防ぐための措置でした。このため、VRAMが6GBに満たないグラフィックカードを使用していると、ゲームが全く起動せず、プレイできない状態となっていました。
最新のアップデートにより、VRAM(ビデオメモリ)6GB未満のPCでもゲームが動作可能になりましたが、プレイヤーは「自己責任でプレイすること」という注意書きが添えられています。特にVRAM 4GB以下の古いグラフィックカードを使用する場合、動作が不安定になり、クラッシュやフレームレートの低下が発生する可能性が高いようです。
このパッチでは、VRAM制限の緩和だけでなく、NVIDIA DLSSフレームジェネレーションの不具合修正、NVIDIA Reflex技術の改良、そしてUIのコントローラーアイコン表示の改善など、いくつかの技術的な修正が含まれています。さらに、Steam Deckで発生していたチュートリアル完了時のバグも解消されました。
開発を手掛けるSanta Monica Studioは、PCへ移植に約18〜24ヶ月をかけており、DirectX 12への最適化作業から実際の移植作業までを行ってきました。PC版では、すべてのパッチやDLCが統合され、ゲームサイズは約175GBに達します。この大容量に対して、一部のプレイヤーからは「圧縮技術を使わなかった理由」を問う声もありますが、開発チームは圧縮によるパフォーマンスの不安定さを避けるため、ディスク容量の確保を優先したと説明しています。
しかし、現在の最大の議論は、Steam版をプレイするためにPlayStation Network(PSN)アカウントのリンクが必須となったことです。本作はシングルプレイヤーゲームであるにもかかわらず、PSNアカウントのリンクが強制されていることに対して、多くのプレイヤーが不満を表明しています。
特に、PSNがサポートされていない地域に住んでいるプレイヤーにとって、この制約は大きな障壁となっており、アカウントを偽装しなければならない場合もあります。このため、Steam上には1700件を超える否定的なレビューが寄せられ、ネガティブな評価が急増しています。
ソニーはこのリンク要件を早くから告知していましたが、多くのプレイヤーは依然として、この措置に納得していません。今後、ソニーがこの決定を見直すかどうかは現時点では不明です。しかし、現時点では、プレイヤーの間でこの問題が大きな論争の火種となっています。
God of War: Ragnarök
発売日: 2022-11-09
プラットフォーム: PC, PlayStation 4, PlayStation 5
ジャンル: Action
開発: SCE Santa Monica Studio
パブリッシャー: Sony Interactive Entertainment
評価: 4.43
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