PUBGクリエイター、メタバース『Artemis』の野心的ビジョンを語る：10年越しの未来計画

By Mag - 2025.01.06 Mon

ゲームニュース

世界的に有名なバトルロイヤルゲーム『PUBG』のクリエイター、Brendan Greene氏が、新たなプロジェクト「Artemis」に関する壮大なビジョンをIGNとのインタビューで明かしました。このプロジェクトは、「メタバース」という言葉が広く使われながらも、まだ十分に具現化されていない分野に挑戦する野心的な計画です。

「Artemis」実現の第一歩：テクノロジーを試すための2つのプロジェクト

Greene氏によると、現在の「メタバース」は単なる「IPバブル」の集合体に過ぎず、真のメタバースとは「HTTPプロトコルのように統一された規格の下、3D空間で相互に接続された世界」であるべきだと語っています。これを実現するために構想されたのが「Artemis」であり、プレイヤー自身が自由に世界を創造し、他のプレイヤーと共有できるプラットフォームを目指します。

Greene氏のスタジオ「PlayerUnknown Productions」では、「Artemis」実現のために2つの関連プロジェクトが進行中です。

Prologue: Go Wayback!
- 今年リリース予定のこのゲームは、AIを駆使したランダム生成マップを採用しています。プレイヤーはプレイするたびに異なる地形や環境を体験することができ、AIとアーティストの協力によって無数の世界が生み出されています。
- 「Prologue」は単なるゲームというよりも、AI技術のテストベッドとして機能し、生成された4.2億通り以上の地形の中から「興味深い」ものを洗い出す重要な役割を担っています。

未発表の第二プロジェクト
- Greene氏は、地球規模の広大な世界で大規模な軍隊を指揮するゲームを開発中と明かしています。このプロジェクトも「Artemis」のインフラストラクチャ構築に不可欠な要素となる予定です。

「Artemis」は「3Dインターネット」として機能することを目指しており、Greene氏はそれを「空っぽのキャンバス」と例えます。初期段階では未完成かもしれませんが、プレイヤーがその可能性を見出し、世界を形作るプロセスが中心になるとしています。

リリースまでの道のりは長く、Greene氏自身が「10年から15年のプロジェクト」と述べるように、完成には多くの技術的な進化が必要です。その一方で、モバイルやPCなど多様なプラットフォームに対応し、グローバルに展開する計画が立てられています。

「Artemis」は、単なるメタバースの一例に留まるのではなく、完全に新しいデジタルエコシステムを作り上げる挑戦です。Greene氏は「これが未来のメタバースのスタンダードになる」との確信を持っています。

「Artemis」の壮大な構想は、多くのゲーマーや技術者にとって夢のような話ですが、同時に大きなリスクを伴う挑戦です。Greene氏が語る「未来のメタバース」は、真のデジタル革命となるのか、それとも空想に終わるのか――その答えはまだ誰にもわかりません。しかし、彼が切り開く新たな道は、ゲーム業界とテクノロジーの未来に大きな影響を与えることは間違いないでしょう。