エストニアに拠点を置くゲーム開発会社ZA/UMで、『Disco Elysium』の続編プロジェクト「Y12」が2022年6月頃に突然中止されていたことが明らかになりました。また、主要スタッフの解雇や管理職との対立が社内で深刻な問題を引き起こしていたと、元スタッフたちが告白しました。
この情報は、YouTubeポッドキャスト「Human Can Opener」にてアルゴ・トゥーリク氏とドーラ・クリンディッチ氏によって詳しく語られました。
続編「Y12」プロジェクト、中止の真相とは
『Disco Elysium』は2019年にリリースされ、その独創的な物語とゲームシステムで世界的な高評価を得た作品です。しかし、2021年以降、スタジオ内部では不穏な動きが続いていたようです。
続編プロジェクト「Y12」は、ある時点までは順調に進行していたものの、管理体制の混乱が原因で中止されました。ポッドキャストで語られた話によると、制作チームは当初、高い完成度の作品を目指して情熱を注いでいたとのことです。しかし、管理陣の介入やクリエイティブコントロールの喪失により、最終的にプロジェクトを続行することが困難になってしまいました。
さらに、2021年冬にリードライターのロバート・クルヴィッツ氏や共同制作者のヘレン・ヒンドペレ氏などが相次いで解雇されていたことも明らかになっています。解雇の理由について、元社員たちは「管理職側が役職変更によって権限を削減し、さらに不利な情報を流布することで立場を弱体化させた」と主張しています。
また、入社したばかりの新スタッフには、「解雇された元社員は問題人物である」と一方的な説明が行われていたことも証言されています。これにより、真実が歪められ、社内では不信感が広がることになったといいます。
2022年には、ZAUMが急速な人員拡大を行い、数か月で30人規模のスタジオが100人規模へと成長しました。しかし、急激な拡大がかえって組織文化の不安定化を招き、社内の士気や連携が崩壊したと元スタッフたちは証言しています。特に、この拡大に伴って社内の意思疎通が困難になり、制作現場にさらなる混乱をもたらしました。
今回明らかにされたZAUMの内紛は、ゲーム業界における労働環境や管理体制の課題を改めて浮き彫りにしています。元スタッフたちは今後も自らの経験を共有し、業界全体での改善を訴える意向を示しています。一方で、ZAUM社からの正式なコメントはまだ発表されていません。
多くのファンが待ち望む『Disco Elysium』続編が、再び日の目を見ることはあるのでしょうか。今後の展開に注目が集まっています。
コメント この話題についてのあなたの考えや感想を、コメントで共有してみませんか?