Mundfish開発、Beep Japan販売の『Atomic Heart』はPC/Xbox版が2023年2月21日に発売、PS4/PS5版は2023年4月13日に発売予定。
本作は、架空のソ連を舞台にした一人称視点のSFアクションRPG。
奇妙なトレーラー映像、独特な世界観で発売前から国内外で大きな注目を集めていました。
本記事ではアトミックハートの海外メディアの評価、レビューを紹介していきます。
奇跡と理想の楽園へようこそ。ここでは人々が、忠実で熱心なロボットたちと仲良く暮らしていた。しかし、それはもう昔の話。悲劇的な事故や世界的な陰謀でも起こりさえしない限り、最新のロボット制御システムの導入はあと数日を待つばかり……
人々には知り得ぬ研究と、止まらぬ技術の進歩。そこから生み出されたミュータントや恐るべき機械、超出力のロボットが、突如生みの親に牙をむいた。奴らを止め、理想の世界に隠された謎を突きとめられるのは、君だけだ。
タイトル | Atomic Heart (アトミックハート) |
発売元 | Beep Japan、4Divinity |
開発 | Mundfish |
ハード | PlayStation 4/5 , Xbox One , Xbox Series X/S、PC(Steam) |
ジャンル | アクションRPG |
プレイ人数 | 1人 |
対応言語 | 日本語 , 英語 , ロシア語 , 他 |
リリース日 | PC、Xbox版:2023年2月21日 PlayStation版:2023年4月13日予定 |
価格 | PC版価格(税込):通常版 ¥8,800 PlayStation DL版価格(税込):通常版 ¥9,680 |
CERO | Z |
海外メディアの評価、レビュ―・コメント
この10年でベストゲームのひとつになるかもしれない。
アトミックハートはホラーという設定にはなっていないが、「Bioshock」や「Doom」のようなものに近いと思う。すべてのロボットが不気味というわけではないが、中には身震いするようなロボットも。特に、日常的な男性型ロボットはヒゲを生やしており、このゲームの背後にある不吉な感じを強調しているようで気色悪い。生気がなく、死んだような目をしているのも、その一因だ。
Mundfishのデザインは、3826号施設を旅するときの雰囲気を作ってくれていると思う。ロボットやミュータントが引き裂かれるのを見たり、引き出しやドアがバタンと開いて自分のものがこちらに飛んでくるのを見たりと、最近のゲームで最も満足度の高いメカニックの1つだ。シンプルであることは美しいことであり、このゲームでは間違いなくそうである。
2023年はすでにゲーム・オブ・ザ・イヤーの有力候補が出揃ったが、「アトミックハート」もそのひとつだ。Mundfishの素晴らしいデビュー作となった本作は、その宣伝文句と期待に違わぬ出来栄え。「アトミックハート」が優れている点をいくつか挙げるのはほぼ不可能で、そのどれもが並外れているからだ。
David Burdette
今年のベストゲームというだけでなく、この10年でベストゲームのひとつになるかもしれない。
- 素晴らしい設定と雰囲気
- 信じられないほど多様で魅力的な戦闘
- 没入型のストーリーと素晴らしいパフォーマンス
- 完璧なデザイン (パズル、ロボットなど)
- センセーショナルなビジュアル
- いくつかのバグ
- プラットフォーム(アスレチック)はイマイチ
知的で刺激的なパズル。
「アトミックハート」は古風なゲームであることに変わりはないが、異なる解決策を試すことができるため、思ったより制約が少ないのが特徴だ。特に重要なのはパズルであり、『Dishonored 2』のVilla Meccaniaに見られるような、近年最高のレベルデザインのデモンストレーションとしばしば結びついている。
特筆すべき例としては、ルービックキューブのように部屋の一部のエリアの形状を変更する回転パズルや、磁極を逆転させなければならない変化する構造やプラットフォームがある。
これらのパズルが創意工夫を刺激し、新たな視点から進むべき道を示してくれるとすれば、他のパズルは別の方向性を選択することになる。具体的には、物理的なもの、論理的なもの、屈折の計算などだが、決してイライラさせられるようなことはない。
「Atomic Heart」は、悪評を受けていた作品が実際には期待以上に成功したことを示し、素晴らしいプロジェクトだ。多くのゲームメカニックが派生的で、インスピレーションも明らかであるにもかかわらず、その優れた開発チームの物語能力により、予想を超えるタイトルとなり、過小評価されてはならないタイトルとなった。これにより、まだ予測できない方向に拡張できる宇宙の基礎が確立された。
Domenico Musicò
- 高度なファンタジック政治的物語
- あらゆる状況において自分のゲームスタイルをカスタマイズできる可能性がある
- 知的で刺激的なパズル、高度なレベルデザインに密接に関連している
- 屋内のパートよりも屋外のパートの出来が劣る
- いくつかの技術的な問題があり、プロモーションフェーズで見せられたものに比べて全体的な美しさが劣る
不気味の谷の奥深くに完璧に着地している。
「アトミックハート」は、視覚的にかなり印象的なゲームである。このゲームの不気味な人形のようなロボットは、ぎこちないながらも時折優雅な動きと凍りついた顔の組み合わせで、不気味の谷の奥深くに完璧に着地している。
ゲームプレイに関しては、「Bioshock」 のファンであれば、いくつかの注意点を除き、「アトミックハート」 は違和感なくプレイできるだろう。Bioshock と同様、密閉された閉所恐怖症のエリアを這いずり回って身を隠し、時には敵と戦い、資源やキーアイテム、情報をかき集めることに多くの時間を費やす。Bioshockとは異なり、クラフトにかなり重点が置かれており、金属、ポリマー、生物素材のあらゆる部分がアイテムの作成や武器のアップグレードに使用可能。
P-3のカスタマイズの幅が広いのはとても楽しい。ポリマーのアップグレードが複数あり、氷や雷を敵に当てたり、テレキネシスで持ち上げたりすることができる。また、いつでも自由にスペックを変更できるため、プレイを中断することなくさまざまな能力で遊ぶことができた。武器にも様々なアップグレードがあり、スピードやパワーを向上させたり、設計図さえあれば追加能力を付与することができる。
「アトミックハート」は、ユニークでよく練られた設定の、魅力的でエキサイティングなSFアクションRPGである。テンポの悪さや、時折イライラする戦闘など、不完全な部分もあるが、「アトミックハート」の核心にあるエキサイティングな謎は、やりこんでみる価値がある。
Tom Quirk
異世界の設定が好きなアクションRPGファンにとって、Atomic Heartは間違いなくハマる価値があり、開発元のMundfishが今後どんな作品を出してくれるのか楽しみである。
- よく練られた異世界の設定と魅力的な謎解き
- ロボットや舞台のデザインは独特で、適度に不気味。
- 奥深いカスタマイズとクラフトシステム
- 豪華なレトロフューチャー系サウンドトラック
- ややぎこちない英語吹き替え
- リスポーンする敵や耐久力のある敵が戦闘を長引かせる
- イラつくメインストーリー外のクエストとロックされたドアがテンポを悪くする
- 時々クラッシュしやすい
システムの説明が不十分
ゲーム序盤ではフィールドからランダムな素材を入手できるが、それが何に使われるのかがわからない。レシピ、クラフト材料、鍵、その他のロボットの残骸が必要で、武器やパワーをアップグレードし、ロックパズルを解き、物語や目標に参加する必要があるのだ。もちろん、他の何十ものシューティングゲームやRPGにも似たようなシステムはあるが、たいていはそれぞれの仕組みについて苦心して説明している。アトミックハートは、いろいろな意味で、もっとうまく説明する必要がある。
戦闘はかなり雑です。特に近接戦闘は正確さを感じない。斧やゲーム後半の近接武器の一振りでロボットの頭蓋骨を破壊するのは、うまくいけば楽しいが、そうでないことがあまりにも多い。
このゲームの軽微なプラットホーム(アスレチック)のセクションは、決して良いとは思えなかった。この複雑な時代にソビエトのイメージが浸透していることはさておき、「アトミックハート」は、システムが多すぎて、それらの間の組み立てが十分でない印象を受けるゲームである。戦闘やその他のメカニックは、複雑なストーリー展開が異なるレーンの間で揺れ動く中、ぎこちない混乱した瞬間と爽快な流れの間を行き来している。
MARK STEIGHNER
アトミックハートは、多くのアイディアが決して調和することなく曖昧になってしまった古典的な作品という感じがする。
- 素晴らしい世界観
- 難易度の高いボス
- 出会いの多様性
- 煩わしいパズルとプラットフォーム
- 説明不足なシステムが多すぎる
- 不正確な近接戦闘
総評
- よく練られた異世界の設定と魅力的な謎解き
- 信じられないほど多様で魅力的な戦闘
- 知的で刺激的なパズル、高度なレベルデザインに密接に関連している
- 豪華なレトロフューチャー系サウンドトラック
- 煩わしいパズルとプラットフォーム(アスレチック)
- 説明不足なシステムが多すぎる
- リスポーンする敵や耐久力のある敵が戦闘を長引かせる
- 屋内のパートよりも屋外のパートの出来が劣る
素晴らしい設定と雰囲気
やはり本作の魅力と言ったらこの圧倒的なビジュアル面では無いでしょうか。発売前からトレーラーなどに登場して来たロボットやクリーチャーは良い意味で気持ち悪く、奇妙。しかし何処となく魅力的でプレイヤーからの評価はかなり高めです。
ゲーム内で登場する敵キャラクターはボスを含め約20体と多くはありませんがどのキャラクターも存在感があり、終始退屈しない見た目となっていました。
しかし、フィールドなどロケーションは画一的であまり個性が無いと思う場面もしばしば。ゲーム序盤に訪れる”ヴァヴィロフ”という施設から脱出するまでがアトミックハートの世界観を一番感じることができますが、脱出後のオープンフィールドに出てからはゲームのテーマとなっている『架空のソ連』というものを感じ難いのでは。
トレーラーに出てきたような、もっと混沌としたオープンフィールドを探索したいと思いました。
とはいっても、今後DLCのリリースが決まっており、本編でマイナスに感じた部分は今後フィードバックを受け改善されると思います。また、マップも拡張され、よりアトミックハートの世界観を広げユーザーを楽しませてくれるのではないかと期待しています。
多様で魅力的な戦闘
ゲーム序盤は物資も少なく、使える武器やアビリティも限られ、道中遭遇する敵との戦いは1回1回が緊張感を伴う戦闘になっています。
難易度によっては、ボス戦以外でも満身創痍になるため引き出しやロボットから入手できるアイテムを使って回復アイテムや弾薬をクラフトして進む必要も。
プレイヤーは銃器や近接武器の他にも、左手のクローブに埋め込まれたチャー・ルズからアビリティを使うことも出来ます。
アビリティはアップグレードすると複数の効果の付与が可能に。氷や雷を敵に当てたり、テレキネシスで持ち上げたりすることができて、敵が集団で現れた時の戦闘の幅が広がります。
また、一部の効果はボスにも有効となるため、試行錯誤して戦えるのも高評価です。
魅力的な謎解き
プレイヤーはメインストーリーで訪れるロケーション以外にも”試験場”と呼ばれる施設に訪れ、武器を強化できる設計図を入手するためにパズルを解いたり、ロケーション内の重要な部屋に入るために扉に掛かっているパズルのを解いたりと、アトミックハートではパズルも重要な要素になっています。
一部のパズルはアスレチック要素があり、足場や手すりをジャンプで渡る場面がありますが、スタックしてしまったり、プレイヤーの思うように操作を出来なかったりとテンポが悪く不評の声が多いです。
それ以外のパズルは、ひと目見ただけで答えがわかるものは少なく、ちゃんと考えて解くようなものが多いです。そのためパズルを解いた時の達成感がちゃんと味わえるのが良いポイントだと思います。
デビュー作ながら評価は高め。Mundfishの今後にも注目したいと思える作品。
「アトミックハート」はデビュー作ながらも、世界観や戦闘の設定が磨き上げられており、今後リリース予定のDLCやMundfishの作品に期待せざるをえない出来でした。しかし、ユーザー目線の調整不足やトレーラー映像との相違でアトミックハートの魅力をまだ完全に引き出せていない様子。
日本語版のリリースまでにアップデートでより遊びやすくして、多くの人にプレイして欲しいと思います。