Nintendoは2024年10月、Nintendo Switchのエミュレーター『Ryujinx』の開発を強制終了させたことが明らかになりました。『Ryujinx』は、SwitchゲームをPCでプレイするための非公式ソフトウェアであり、Yuzuに次ぐエミュレーターとして多くの支持を集めていましたが、Nintendoによりプロジェクトが閉鎖されました。
『Yuzu』に続く閉鎖
Nintendoは2024年9月末に、エミュレーターの主要な開発者であるgdkchan氏に接触し、法的措置を取る前にプロジェクトの終了を提案しました。提案には、プロジェクトの全資産の削除、組織の解散、関連するすべてのデータの破棄が含まれていたと言われています。これを受けてgdkchan氏は提案を受け入れ、GitHubからソースコードを削除し、公式サイトのダウンロードリンクも無効化されました。これにより、約7年間続いたプロジェクトは事実上終了しました。
Discordでの発表によると、開発者は「任天堂との交渉の結果、プロジェクトは終了し、今後の更新やサポートは行われない」と述べており、長年にわたる開発を支援してくれたユーザーに感謝の意を表明しました。
昨日、gdkchanはNintendoから連絡を受け、プロジェクトの停止、組織の解散、彼が管理しているすべての関連資産の削除を求められる契約の提案を受けました。彼がこの契約を受け入れるかどうかの確認を待っている間に、組織はすでに解散されましたので、結果がどうなるかは容易に想像できると思います。皆さんを不安と憶測の中に置いておくのではなく、この短いメッセージで状況を整理することにしました。
これらの言葉はあくまで私自身のものであり、ここで他の誰かを代表して話しているわけではないので、その点をご理解ください。
コード、ドキュメント、問題報告に貢献してくれた皆さん、本当にありがとうございました。開発を通じてサポートしてくださった皆さんにも感謝します。私自身、好きなゲームについて多くのことを学び、楽しむことができました。また、皆さんも同様に特別な経験をしていることでしょう。最後に、荒波を乗り越えて常に物事を明るくしてくれたモデレーターのチームにも感謝の意を表します。
https://x.com/RyujinxEmu/status/1841188744126480428
『Ryujinx』の閉鎖は、2024年3月に閉鎖されたもう一つのSwitchエミュレーター『Yuzu』に続くもので、NintendoはSwitchエミュレーションに対する取り締まりを強化しています。『Yuzu』の場合、開発者たちは法的措置を受け、巨額の賠償金を支払うことを余儀なくされましたが、今回の『Ryujinx』では法的措置に至る前に和解が成立しました。
Nintendoがエミュレーターに対して強硬な姿勢を取る背景には、新しいSwitch 2が間近に控えていることがあると見られています。新しいハードウェアのアーキテクチャが現在のSwitchに類似している可能性があり、エミュレーター開発者が再び対応する時間を抑えようとしていると推測されます。
『Ryujinx』の終了により、Nintendo SwitchのゲームをPCでプレイするための主要なエミュレーターは事実上姿を消し、今後のエミュレーションシーンの行方は不透明です。開発者たちは、この閉鎖を機に「エミュレーションと海賊行為は別物であり、違法行為を助長しないために活動を停止する」とし、今後のプロジェクト展開は行わないと明言しました。
この動きに対し、コミュニティ内ではさまざまな反応が見られますが、多くのユーザーはNintendoの厳格な姿勢を理解しつつも、エミュレーター開発者の努力に敬意を表していました。一部の開発者は今後も法的リスクを冒して新たなプロジェクトを模索する可能性がありますが、主要な開発者たちはこのシーンから引退する模様です。